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生徒が20歳になりました

小学3年生から通っていた生徒が高校生になっても大学生になっても通い続け
20歳になりました。
という事でお祝いとして特別に「飲み」に連れていってあげました
最初で最後です
ビールで乾杯し幸せを噛みしめながら「今年度で終わるからそのつもりで」と伝えました
地元石川県金沢市での話です

元々は母の介護で月に2週間金沢滞在なので、レッスンの地元の教室で月に2回行なっておりましたが
昨年から母も老人ホームに入り、面会で月に1回行くだけでよくなったので今は月に度だけのレッスンです
子供の部は盛況なんですが、高校生以上の大人の部は今年度で閉めます
僕の体力的な事もありますが、教室があると地元の大学生である彼も居続けるでしょうから、どこかで終わらせてあげた方がよいのです

生徒が成人し、乾杯できるという経験は中々ないので、これが一つの区切り
肩の荷が下りた気がしたので、「今年度で終わるからそのつもりで」と伝えました
基本的には生徒の卒業は今生の別れだと思っているので、達者で暮らせよ。

で、今日のテーマは「若者の挑戦」です
最近ハマっているプロ野球の話になりますが、父兄の皆さんは「我が子が挑戦しようとしている話」として見てもらえたら思います
(つまり、野球の話はしますが、難しいルールの話は出てこないようにします、という意味です)

今ニュースになっているのは、日本で最速のボールを投げる佐々木郎希選手(22歳)が、
来年メジャーに挑戦したいが契約の話がまとまらずに、まだ来季の契約更新ができていない保留状態である。
というものです

これについてなんかひどいなあというか、ネットの世界は怖いなあというか、
佐々木選手けっこう叩かれているんですよ

・時期尚早
・もっと日本で活躍してからにしろ
・球団に恩返ししてからにしろ
・ワガママいうな

といったもので、ようは
「165キロの剛速球を投げれるけど、まだその体が出来上がっていないから怪我しないように慎重に育成してきた途中で何を言い出すんだ」というものです

まず僕が思うのは、「ワガママ」と決めつけるのはいかがな物かと思います
選手には選手の希望があり、一度の人生ですから早くやりたい人もいれば、じっくりやりたい人もいる、
それだけの事なんですが

契約保留の状態=ごねている=わがまま

という人がいるんですね

憶測でものを話すのであれば、なるべく尊重する側の立場で話たいものですね
根底として大事なのは「何があったのだろう」と想像する事です

お子さんが、「新しい環境で挑戦したい」と言い
部活や学校との話がまだまとまらない(休学するのか退学するのか)
まとまらないので保留中

そんな時に、周囲が「ワガママいうな」と騒ぎ立てるのです
佐々木選手に関しては、元選手までもが「喝っ!」って言っている始末です

保留中なだけで、なんでそこまで騒ぎ立てるのでしょうか

20歳の生徒と乾杯しながら、「小学生から育ててきたんだよなあ」と思い、この話をしたのです

21~22歳の若者が、「挑戦したい」と意思を告げて、
あとは「いつ」「どうすれば」行けるのか、行かせてもらえるのか、を慎重に話し合っているだけの話かもしれないのに

「親心としては不安だけど行かせてあげたい」これ当然です

「学校側としては推薦入学の特待生で専用の施設も作ったくらいなので卒業まであと二年いて欲しい」
この感情も当然の事です
「コーチ側が、そんな若さと体で渡米し怪我したらどうするんだ考え直せ、今は待て」
これも当然の意見です

なんですが
「ここまで大事に施設まで整えてもらい、怪我しないように育ててもらったんだから恩返ししてからにしろ、わがままいうな」
これが分からないのです
なぜそこまで話が飛ぶ?

我が子は挑戦したいと言い、そのための契約内容について話し合っているだけですよ
頼むから黙って見守ってくれ

と、親心ではそう思いますが・・・・・

これがね
「すでにアメリカの移籍予定先の人と話し合っている」だと、さすがにオイオイですよ
「もう住む所決めました」とか
そんな事を先にやっちゃったなら順番が違うので、そりゃあ「喝っ!」でいいんですけど

そうではないわけで

他人から憶測で「わがままでごねている」とまで言われるのは、かわいそうですね

確かに40歳を超えると、あまり20歳の若者とじっくり話す機会は少なくなります
大人の経験から、「引き止めたい」「恩返ししてから」と言いたいのは分かるんですけど
その子を小学生から見ていれば、もっと若く感じます

なので僕は
「なんでも挑戦して、意思を伝えて、時には怒られて、叱られて、意思の伝え方のタイミングや言い方を学んでいく」
そうしてみんな、大人になっていったと思うんです

僕も時期尚早な判断をして叱られた事は多々あります
その度に、先輩が叱ってくれて諭してくれたから、今があるので

若者の挑戦は擁護したいですね
あとは話し合いで、1年後ならいいのか、2年後ならいいのか、という話し合いの中で本人も「確かにそうだな」と思えて自重してくれるかもしれません
周囲が頭ごなしに否定すると、まとまる話もまとまらないので、頼むから黙って見守ってて欲しいですよね
親側、育成側、諭す側としては。

これが僕の感情、想いですが
スポーツトレーナー側としては
直接見てみないと分かりませんが、体は25歳を超えても筋肉や腱はまだまだ鍛えられるので、じっくりと鍛えないと故障につながりそれが選手生命を脅かします
そんな人を沢山見てきましたし、自分の時も「もっと止めてくれる人がいて欲しかった」とは想います
そのくらいに165キロの剛速球を投げる体への負担は途轍もないので
球団側、トレーナー側がうまく諭してあげて欲しいなと思います

ビジネス・経営側としては
既存のルールでは
① 条件を満たした26歳からがルールです。これは選手の権利です
それが『フリーエージェント宣言』です

② さらにルールを満たし、球団がOKを出せば22歳でも可能ですが、それは選手の権利ではなく球団の権利です。
それが『ポスティングシステム』です

佐々木選手は、①も②も満たしてないので球団がOKを出さないと無理なものは無理なんです
なので、1年後ではなくせめて2年後、それも条件を満たしてから

というのは当然の事です。

ただ、この①と②のシステムについて
選手を意思をもっと尊重しろとか、古い考えだとかいうのは。論点が違います
契約は契約ですから、契約の中身を言うのはそれこそただのワガママです

 

最後に野球ファンとしては、あと二年待って欲しいです(笑)
あと1シーズン後に海外行っちゃうのは寂しい(笑)
あと怪我は心配だから、やはり最低でも2年後がいいなぁ

という今回は親心からくる話でした

父兄の皆さんはどう思われますか?
それぞれの家庭内の教育方針があってよいと思います

僕の教育理論、方針、生徒への想いは今日書いた通りですので、ご参考頂けると幸いです。

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