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教師の資質

先日、富山県のプール教室で悲しい事故があり、尊い命が失われました

しかし、安易なリツイートや批判はすべきではないと思うので、
今日の話はこの事故の話を受けて、あくまで僕が思う指導論という、あくまで持論、理念の話にしたいと思います

批判するのは簡単ですが、もし本当に命を大切に想っているのならそれが事故を起こした組織の落ち度であったとしても、
周囲の否定的な意見により、その組織の人が自殺してしまう可能性がある事を想像すべきです
もし、その組織の先生に子供がいた場合その子供は学校でいじめられるかもしれません
「お前の父ちゃんはプールで子供を殺した人殺しなんだぜ、犯罪者の子供だ」
と、その子供の人生にまで波状する可能性も考えるべきだと思うのです
本当に命を大切に想っているのならそこまで想像すべきです

その時、何があったのか?
それが分からない以上、安易な発言はできません

(ちなみに、富山県では僕も教室をしていた事があるので、
人脈を使って情報はそれなりに得てはいるので報道されていない事も知ってはいます)

事故とその因果、罪と罰については、行政と司法、しいては立法に任せるのが筋だと思います

ただその件を受けて考察する事はできます
そこで今日は、単に安全管理という事について、再度語りたいと思います

AOA.体操教室は生徒さんも増えてきたので、そろそろもう一回り大きなスタジオにお引越しする事を考えていました
もちろん中野区内、中野駅から近い場所で、既存の生徒さん全員が通いづらくならない場所である事が前提です
物件探しは楽しいので趣味もかねて調べていたらけっこういい所いっぱいあるんですよね

・この金額ならすぐに行ける!でもどうせならもう少し広い方がいいなあ、とか
・ここはちょっと高いけど広いし立地もいいなあ、とか

不動産あるあるです

で、なんか意欲が沸いてきて、先行投資という事で「もう引っ越ししちゃおうかな」って考えてたところに、
先ほどの指導中の事故のニュースで、冷静になって踏みとどまりました

はい、ここからが安全管理の話です

いくら生徒さんが増えて、教室を広くしたところで指導者が足りていないと意味が無いのです
うちの講師陣は皆、表現者です。
女子プロレスラーとしても活躍しています
多忙のため、今はパフォーマンスの仕事に専念しておられる先生もいます

そんな理由から人手不足は否めないですね

ましてや、うちは「生徒の順番待ちの時間は作らない」という方針ですので
一人の先生が一度に見る生徒の数は二人までとしています
実際はやろうと思えば3人でも4人でも可能なのですが、その分先生の消耗も激しくなるので、安全管理の都合上
原則『先生一人につき生徒は二人まで』としています

そして僕の仕事は全体の監視と指示出し、そして父兄への現状の解説と報告です
安全管理のために、できれば僕はその業務に徹したいのです
「A先生と輪島先生」で4人を見るのではなく
「A先生とB先生」で4人を見て、それを輪島先生が見張り、見守りたいのです

今、教室を広くしてしまうと、確実に盛況となります
盛況の結果、僕も現場に立つ事が増えます
その分、消耗が増えます
それでもよいのですが人間である以上、その消耗により監視が手薄になる可能性は否めません

「万が一」という言葉がありますが、消耗が激しくなるとその「万が一」が起こりうる可能性が高くなるのです
万が一じゃだめなんです。1万回に1回では多すぎます
せめて1000万が一、できれば億が一くらいでないと。
それでも、その億が一でも起こってしまってはダメなのですから

そして、単に人手を増やせばいいという事でもありません
「教師の資質」が無い者に、子供を触らせるわけにはいかないのです

教師の資質はとは何かを具体的に言えば

「保育士の資格を取れ」と言われれば取れる事です
「看護師の資格を取れ」と言われれば取れる事です

これはほんの一例ではありますが
単純に勉強ができるとかそういう事ではなく、
その任務を全うするためになら、それだけの努力を惜しまない人です
うちの先生は皆、もしかしたら別の次元・平行世界・パラレルワールドでは
看護師をしているかもしれませんし、していてもなんの違和感もありません

これに加えて、うちの場合は、その資質を持った人を「表現者」の中から発掘するわけですので、そう多くはいないのです。
いてもその人は多忙な人である可能性が高く、体操教室にレギュラーで時間を確保するのが困難です

そういった理由から、僕が求める体操の先生というのは貴重な存在なのです
子供に直接触れて、緊急の際はどこを掴んででも持ち上げて守らねばならないのです
子供の下敷きになる事を躊躇なく出来る人でないとだめなのです

体操経験者の講師の応募は正直あります
講師募集はしていないのですが、応募の問い合わせは沢山あります、しかし全て断っております

『体操の経験者であれば体操を教えられる』というわけではないのです

僕はダンスの振付師でもありますので、ダンスの先生はそれでもいいのです。
球技もそうかもしれません、ボールを通して間接的に子供に触れるかもしれません、が、それでも生徒は逆さまにはなりません

体操は逆さまになります、そして子供に直接触る必要がある以上、全くの別物なんです

そんな理由から、うちに関しては先生の手が足りていないのです
そんな理由から、あと二人、レギュラーで入れる先生を発掘するまでは、教室を広くするのはまだ先の話ですね

ましてや、複数の店舗を運営なんて、無理ですね
ましてや、フランチャイズ化するなんて夢のまた夢

嗚呼、儲からない(笑)

そのくらい、安全管理にだけは徹底し、一切気を緩めません。

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